2013年8月25日日曜日

そうだ。僕らが走り回った空き地にはいろんなものがあったのだ。

いろんなものというよりも、いろんな状況があったのだ。それはにおいだったり、痛みだったりもする。もちろん砂ぼこりや吹き抜ける風や突然の雨だったりする。そうだ。あの公園の向かいには小さな自転車やさんがあった。あの公園を走っている自転車はどれも古い自転車だった。新品の3段切り替えの自転車なんか僕らの周りにはなかったのだ。それはテレビの中にしかないもので、だからこそ、つまり、存在しない自転車に過ぎない。存在する自転車はどれもちょっとさび付いていて、色も均等ではなかったけれども。あの自転車やさん出身の自転車が多かったように思う。あそこで修理されたものが多かった。みんなの家に車などなかったから、通勤に自転車を使う大人はかっこよく見えた。僕らの自転車はさび付いていた。けれど、それはとてもとても大切な相棒だったのだ。・・例えばその風景の中には自転車があった。

0 件のコメント:

コメントを投稿